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特別コラム 第3回「SDGsの大きな目的と、実現に不可欠なコミュニケーションの円滑化」

コラム

2020年6月23日

特別コラム 第3回「SDGsの大きな目的と、実現に不可欠なコミュニケーションの円滑化」

こんにちは。おおさかATCグリーンエコプラザ 環境アドバイザーの立山裕二です。
今回は「SDGsの大きな目的と、実現に不可欠なコミュニケーションの円滑化」について考えてみたいと思います。

SDGsの大きな目的

~環境・経済・社会問題の同時解決を図る~

『持続可能な開発のための2030アジェンダ』では、「(17ゴール間の)相互のつながりを理解し活用することで複数課題の同時解決を目指す」とSDGsの大きな目的をあげています。
また環境省の平成29年版環境白書では、SDGsについて次のように説明しています。

国際的な目標であるSDGsを紹介しつつ、その特徴の一つである「統合性」に着目し、その考え方が環境政策の目指すべき方向性と位置付けられてきた「環境・経済・社会の統合的向上」と基本的に  同様のものであること、「環境・経済・社会の統合的向上」に「同時解決」という観点も組み込んで、今後環境政策に取り組んでいく必要があることを、改めて訴えることが今回の白書のテーマに込められた重要なメッセージと言うことができる。

このようにSDGsには「複数の課題を同時に解決する」という大きな目標が内在され、前号でもあげたように「グローバル・パートナーシップを活性化する」という大きな課題があります。しかし現状は、一部の国間の対立や企業間競争の激化でグローバル・パートナーシップは図りづらい状況です。

その中で日本はSDGsを実現し、世界をリードする役割が期待されています。多くの商店や企業、市民が力を合わせることで必ずや世界に貢献できると(私は)信じています。

業界全体で協力し合って街興しや業界興しを!

現在、新型コロナ感染症対策のために窮地に陥っている人が多数おられます。当然、ほとんどの人が必死に努力して現状を打破しようとされています。

ただ、例えば1店舗だけでなく商店街全体でとか、1社だけでなく業界全体で協力し合っていこうという意識が不足しているように感じます(私はですが・・・・)。

もちろん「さきめしキャンペーン」のように、来客の減少による固定費の減少を先に補填するなどユニークな仕組みも現れています。このような仕組みを複数の店舗や企業が一体となって参加できたら、街興しや業界興しにも繋がるはずです・・・・(すでに実施したり、計画しているところも多いと思いますが)。

それぞれの得意な分野を統合すると、素晴らしい価値を生み出すでしょう。その場合、むしろ無関係と思える分野を組み合わせることで、新しいビジネスが生まれる可能性が大きくなるでしょう。

アフターコロナを待つまでもなく・・・・

今、アフターコロナという言葉が飛び交っていますが、「アフターを待つまでもなく、今から取り組み始めること」が大切です。「いつやるの?」「今でしょ!」という流行語を改めて噛みしめたいものですね。

新しい社会には「新しい仕組み(システム)」が必要です。アフターコロナはまさに新しい社会です。私たち(特に日本人)の智慧が「幸せな世界を創る」大いなるチャンスではないでしょうか。

超えなければならないコミュニケーションの壁

ただ、超えなければならない大きな壁があります。特にコミュニケーションの壁は克服困難かもしれませんが、みんなの努力によって必ず乗り越えることができるはずです。ここで、どのような努力が必要かについて一例をあげてみます。

~同じ言葉を使ってもイメージが違うと?~

意見交換や話し合いをしているとき、意見のすれ違いで不毛の論争になったり、場合によっては喧嘩になってしまうことがあります。

この原因を探ってみると、同じ言葉を使っているものの、その定義(イメージ)が違っている場合が多いようです。

例えば新型コロナウィルス感染症で重症とか軽症という言葉が使われていますが、専門家と世間一般の人とで「重症」や「軽症」の定義がぜんぜん違うので、混乱を引き起こしていました。

ある程度は仕方ないとしても、人間関係がこじれそうになったり、お互いに相手を軽蔑するようになった場合は何らかの対処が必要ですね。

こんな時は、一度冷静になってお互いの意味するところ(定義・イメージ)を確認し合うことです。相手の定義やイメージが分かれば、お互いに理解し合えて、より建設的で健康的な話し合いになることでしょう。

このようなことは、私のライフワークである環境関係でもよく起こっています。

例えば、地球温暖化は「地球の平均気温が上がること」という定義の元で多くの科学者が議論し合っているのですが、ここに「いや、地球は寒冷化している」と異議を唱える人が登場してきます。

彼らは、「場所によっては気温が上がっているところがある」とか「太陽活動が弱まってきていて、地球の温度は低下していく傾向にある」といいます。

もうお分かりの方がおられると思いますが、地球の平均気温を前提に話を進めているのに、「局地的な気温」や「地球という惑星の温度」のことを持ち出してきているのです。

平均ですから局地的な話は別次元のことですし、地球自体が寒冷化しても、例えば北極の氷が著しく減少して太陽熱の吸収が大きくなり、平均気温としての温暖化が起こることはあり得るのです。

話がややこしくなってきましたので、この辺で止めますが、要は言葉は同じでも「異なる定義で」議論していることを見抜く必要があると言うことです。

今なお、地球温暖化を巡っての混乱が続いていますが、最大の原因は主に科学者間、そして彼らの影響を受けた人たちのコミュニケーション努力の欠如です。

まずは、お互いの意味するところを心を開いて聴き合うことから始めることが必要ですね。

次回は、今後見直されたり、発展する可能性のあるビジネスについて考えたいと思います。

コラム著者

サステナ・ハース代表、おおさかATCグリーンエコプラザ環境アドバイザー

立山 裕二