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特別コラム 第11回「経済活動がSDGsに関係するモデルの一例」

コラム

2021年2月28日

特別コラム 第11回「経済活動がSDGsに関係するモデルの一例」

こんにちは。ATC環境アドバイザーの立山裕二です。これまでエコプラザカレッジで環境経営やSDGsなどについてセミナー講師を務めさせていただいておりました。

今回は、「経済活動がSDGsに関係するモデルの一例」を取り上げ、私たちの役割について考えたいと思います。

人口爆発と貧困の理由と対策は?

人口爆発したのは貧しいから?

世界の人口は現在約78億人、1年で8千万人が増えています。ただ、増えているのは東南アジアやアフリカなどの途上国です。

では、なぜ先進国では人口が増えていないのに、途上国で人口爆発が起こるのでしょうか?

この質問に対して、多くの人は「貧しいから人口爆発が起こる」と答えます。「貧しいと教育が受けられなくて、避妊の方法も教えることができないから」というのが大方の意見です。
貧しいことと避妊の方法を知らないのとは、どう結びつくのでしょうか?

貧しいから人口爆発が起こるのであれば、アメリカインディアンやアボリジニなど、先住民族と呼ばれる人たちがなぜ減っているのでしょうか?

かつてヨーロッパは産業革命以来5倍、アメリカは200年で10倍、日本は100年で4倍も人口が増えましたが、これらの国は貧しいから人口爆発したのでしょうか?
このように次から次に疑問が湧いてきます。

よく考えてみると、「先進国と貿易を始めると人口爆発が起こり、先進国との貿易を避ける(拒否する)と人口が減っている」ことに気づきます。実は、アフリカやアジアの国々は昔は豊かだったのです。・・・ただし金銭的な豊かさではありません。

伝統的焼畑農業や自然の中に生きている植物や動物の命をいただいて、何千年も生活していました。つまり自給自足の生活をしていたのです。

私たちは、お金がないのを貧しいと思っていますが、お金がいらない世界では、お札はタダの紙切れです。硬貨なんてペンダントの役も果たせません。

ところが、先進国の人間が入ってきて、貿易が始まると豊かさが失われる?・・・・(金銭的、経済的に)貧しくなる?・・・・どうしてでしょうか?

人口爆発と貧困のシナリオ

貧困問題は、SDGsにも挙げられている極めて重要な項目です。
以下に挙げたシナリオを「SDGsの各項目との関連をイメージしながら」お読みください。
ただSDGsの17ゴールは「すべてがつながっている」ということを忘れないでくださいね。

人口爆発と貧困の理由を換金作物で考えてみましょう。
換金作物というのは、コーヒーやゴムのように、自分たちが食べるためではなく、輸出して現金を得るために作る作物のことです。
ここでは、「人口爆発と貧困のシナリオ」をコーヒーを例にとって見てみましょう。

①自給自足社会と先進国との間で貿易が始まる

ずっと以前から人口は増えも減りもしない、自給自足をしている村があります。そこでは、お祭りや儀式のためにコーヒーを少しだけ栽培しています。

あるとき、コーヒーで大儲けしようと先進国の人間(以下、先進国)がやってきて、「あなたの村と貿易したい」と申し出ます。

貨幣経済でない社会では、お金はただの紙切れなので、村長は貿易を断ります。
しかし、「お金があれば病気の子どもを救う薬とたくさんの食糧が手に入る」と説得され、村長は先進国との貿易に同意します。

このときから自給自足経済が、貨幣経済に変わるのです。

②村の死亡率が低下し、人口が増える

貿易を始めると、薬や食糧のお陰で村の死亡率が低下し、人口が増えます。村人は豊かになったと喜びます。

そこにふたたび先進国がやってきて、「人も増えたし、そろそろ薬も食糧も不足してきただろう。コーヒー畑を広げたら、もっとたくさんのコーヒーが採れるよ」と提案します。
しかし、そうすると自給自足ができなくなるので、村長は断わります。
そこで先進国は、「農地の半分をコーヒー畑にしてコーヒーを売ってくれれば、いまの2倍の薬と食糧が買えるよ」とアドバイスし、村長はふたたび同意することになります。

その結果、村の死亡率が大幅に下がり、人口が急増します。

③コーヒーへの依存がますます高くなる

何年かたつと、村の人口が増えすぎて農作物が足らなくなってきます。
しかし、このときすでに農地の半分がコーヒー畑に変わっていて、これ以上農地を増やすことはできなくなっています。

このとき先進国は、「すべての農地をコーヒー畑に変えたら、ここでできたコーヒーをすべて買い取ることを約束しよう。そうすればさらに2倍の薬と食糧が手に入る」と提案します。
村長は、これが「この土地を悪魔に売り渡してはならない。この掟を破るとこの村に災厄が降りかかる」という言い伝えに背くことだということは知っています。
しかし、先進国が時折見せつける、恐ろしい武器の威力にはとうてい逆らうことはできずに、しぶしぶ同意するのです。

④人手が必要になり人口が爆発する(自給自足の崩壊)

すべての農地がコーヒー畑に変わり、自給自足体制が完全に崩壊します。
また、広大なコーヒー畑を維持するには、特に力仕事が多いので、たくさんの男手が必要です。そこで、生めや増やせやとベビーブームが訪れます。

幸い、コーヒーがどんどん売れるので、食糧を買うお金は十分にあります。
気がつくと村の人口がはじめの10倍にふくらんでいます。それでも、みんなが金銭的に豊かになったと喜びます。

ところが、同じ土地で同じ作物ばかり栽培し続けると、特定の成分が土壌から失われて作物の品質が低下します。これを連作障害といい、やがて作物ができなくなってしまいます。
このままでは、先進国との取り引きができなくなりそうです。

⑤化学肥料と農薬の使いすぎで土地がやせてくる

先進国は、「化学肥料と農薬を買わないか。これをコーヒー畑にまけば土は生き返る」と提案します。

化学肥料と農薬のお陰で、土が生き返り、コーヒーの収穫量が元に戻ります。

ところがある年、コーヒーの収穫量が突然激減します。原因は、コーヒーの病気です。化学肥料をまくことで生態系のバランスが崩れ、虫が取りついたのです。
DDTという農薬を先進国から購入して、使用することでまいたところ、病気が消えます。

しかし、すぐに別の虫が取りつき、DDTではまったく効果がありません。BHCやホリドールにかえてみても、モグラたたきみたいで、キリがありません。

これではコーヒーをたくさん売っても、化学肥料や農薬を買えばほとんどお金が残りません。裕福でにぎやかだった村が少しずつ貧しくなっていきます。

⑥階級が生まれ、難民が続出する

先進国は、「小さな畑の寄せ集めは効率が悪いので、まとめてひとつの大きな畑にすると効率が上がりますよ。どうですか、あなたがみんなを説得してまとめてみては?・・・・大丈夫ですよ、何かあったら私たちが助けますから」と、村の中で(先進国経済の)才覚のある者をそそのかします。

こうして地主と小作人の関係が生まれ、階級制度が誕生します。
地主は自分の才覚と先進国の助けを借りて、次第に力とお金を蓄え、小作人を安い小作料で働かせるようになります。

そうしておいて、先進国は地主に「トラクターとかブルドーザーという大型機械を使えば、小作料を払わなくてもすむよ。この機械の値段はすごく高いけど、人手が省けるからすぐに元がとれるよ」とそそのかします。
こうして人手が余り、生活に困った人々が難民となり、都市部や隣国に流れ込むようになります。

都市部や隣国に流れ込んだ元小作人は、生活のために職を探すが見つからず、やがてスラム街が誕生します。

そして今度は街を追われ、ふたたび農村や山村に入り込み、「無計画焼畑農業」が行われることになるのです。

⑦先進国に対する借金が膨らんでいく

一方、先進国にそそのかされた地主も、とてつもなく高価な機械を買ったものだから、莫大な借金を抱えることになります。

しかも化学肥料や農薬をふんだんに使った土地には、これ以上コーヒーを作る余力がなく、借金の金利も払えません。しかし、奇蹟を信じてどんどん高価な機械を導入します。
機械を高く買って、コーヒーを安く売るので借金がますます膨らんでいくのです。

⑧土地が完全に崩壊し、先進国との取り引きが停止

そのうち完全に土がダメになり、もはや何をしてもコーヒーは育たなくなります。

先進国は取引停止を通告し、去っていきます。
後に残るのは、生命力を失い荒れ果てた土地と、爆発的に増えた人口、そして莫大な借金です。

⑨武力衝突が始まり、世界のマスコミが注目する

先進国は、立ち去るときに「このままでは小作人の怒りが君たちに向けられるだろう。身を守るための武器を私たちから買わないか」と地主に警告します。

同時に先進国は、「このまま地主の言いなりになって、みすみす飢え死にするのを待つのかい。いまこそ力を合わせて、立ち上がるときではないかな。
そのために必要な武器を私たちから買わないか」と助言します。
こうして階級間や部族間で武力衝突や政治紛争が始まるのです。
ここまで来たとき、世界のマスコミがようやく注目し、内戦の報道を始めます。
そして世界の人々が「貧しくて人口爆発を起こした結果、内戦が始まった」と思いこむのです。

以上が、「先進国と貿易を始めた自給自足の村が人口爆発し、やがて貧しくなる」というシナリオです。

もちろん、それぞれの村、それぞれの国で事情が異なりますが、この例は、人口爆発と貧困に至るひとつのモデルを表しています。

先進国と接触することにより自給自足が崩れた社会は、人口爆発を起こし、多額の借金を抱え、やがて貧困から武力紛争の道をたどります。

人口爆発を起こした国は、ほとんどこのルートをたどっています。
ソマリアとエチオピアはある食品、インドはコショウ・綿・紅茶、ブラジルはコーヒー、ゴム、トロピカルフルーツが原因で一時的に豊かになり、やがて人口爆発と貧困の問題を引き起こしました。
よく「貧しいから人口爆発を起こす」と言われますが、実は「貧しさは人口爆発の結果として起こされる」ものなのです。

人口爆発と貧困の原因は?

以上のように、貧しさは人口爆発の結果ですが、「人口爆発のきっかけは、先進国がコーヒーでお金儲けをしたかったから」です。

先進国の経済では、安く買って高く売ることで儲かる仕組みになっています。
そこで先進国が目を付けたのが、途上国です。
途上国の物価や人件費は先進国の100分の1です。
だから、先進国は途上国から農産物や資源を安く買えます。
逆に言えば、化学肥料や機械を途上国に高く売ることができます。 ほっておいてもどんどん裕福になるのです。

一方途上国は、先進国に農産物や資源を安く売って、化学肥料や機械を高く買うからますます貧しくなり、借金も増えます。

借金を返すために、森林資源などを伐採し、投げ売りを始めます。
こうしてどんどん悪循環に入ってしまうのです。

自給自足を見直そう

私たちが「コーヒーなんていらない」と言って、誰も買う人がいなくなるとどうなるでしょうか?

お店の人がコーヒーを問屋さんから買わなくなる→問屋さんも商社から買わなくなる→商社も途上国から買わなくなる→途上国が貧しくなる・・・・?

なにか変ですね・・・・やっぱり私たちはコーヒーを買った方がいいのでしょうか?
やはり、コーヒーを買うことからすべてが始まるのですから、買わない方がいいのです。

先進国が途上国から少しのコーヒーを高く買って、コーヒーを飲みたい人にもっと高く売れば、こんなことにはならないかも知れません。

しかし、先進国の人間はいずれは「もっと安く、もっとたくさん」と言い出すに違いありません。

この「もっと、もっと」という意識がなくならない限り人口爆発と貧困は続くでしょう。

でも、全部がコーヒー畑になって、化学肥料の使いすぎで土がダメになってしまっています。いまさら農業なんてできません。

では、どうすればいいでしょうか?

とりあえずは、次の2つのことを考えてみたらどうでしょうか。
ひとつは、先進国は「いまでも自給自足を続けているところからは、いくらおいしくて儲かりそうなものが見つかっても絶対に買わない」ということ。

もうひとつは、「土が死んでしまって農業ができないところには、その国や地域が自給自足(自立)できるようになるまで徹底的に援助する。ただしお金の援助だけだとお金持ちの手に渡るだけだから、植林や土づくりを全力で援助する」ということです。

フェアトレードとは?

ここで「フェアトレード」について、コーヒーを例に取って見てみましょう。
フェアトレードとは、簡単に言えば「貧しい生活を強いられているコーヒーや紅茶の生産農家の人たちが、ちゃんと生活しながら農業が続けられるように考えて、農作物を適切な値段で買うこと」です。
貧しい農家は、安すぎる単価を補うために作物をたくさん作りたいと考えます。しかし、それには高価な機械や農薬が必要になり、これではいくらお金があっても足りません。
だから私たち消費する側が、現地の人たちが一定の生活ができるように協力する必要があります。

実は、そのための仕組みが「フェアトレード」なのです。
英語では文字通り、Fair(フェア=公正な)Trade(トレード=貿易)。具体的には、「企業が公正な価格で取引をして、生産者にきちんと代金が渡るようにすること、また技術援助(農業の技術を教えてあげたり発展を助けること)したり、環境に配慮して育てられた作物を優先的に購入したり
して、長い目で見て農業や取引が続けられるようにする仕組み」です。
例えばフェアトレード・コーヒーを買うと、農家の人たちの生活を少しでも助けることができるし、環境保全にも貢献できるわけです。

農家の人も代金を多くもらうだけではなく、それに見合った品質の高い製品を環境を守りながら作る約束をします。そのために、手間をかけて作られた有機栽培の農作物などが、フェアトレード製品に多いのです。
フェアトレード商品には、コーヒー以外にもチョコレートや紅茶などがあります。皆さんも、少し割高でもフェアトレード商品を探してみてはいかがでしょうか。

日本の自立も

人間がそして地球が生きていくための絶対条件は、「自給自足できること」です。

この観点に立てば、食糧自給率が40%足らずの日本はどうなるのでしょうか。
60%を輸入に頼っているというのはどう考えても異常です。食糧だけではなく、資源やエネルギーも同様です。

日本は、豊かに見えるだけで、本当は世界一貧しいのかも知れません。

私たちが考えるべきことは、「途上国の自立を援助することだけではなく、この日本を早く自立させること」ではないでしょうか。

そう考えると、先進国とか途上国とかいう言葉自体がナンセンスであることが分かります。

人口爆発と貧困の問題を解決するカギは、この日本つまり私たちにあるのです。

インタービーイング(相互共存)という考え方に立つ

環境問題に取り組んでいる人は、たいてい「すべてが関連しあっている」と語ります。「すべては一人のために、一人はすべてのために」という言葉に通じるものでしょう。このことは宗教でもよく語られています。

聖書では、「ひとつの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、ひとつの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです」ということを教えています(パウロ、コリント信徒への手紙)。

仏教でも、「すべてが関連性で生じており、この世にそれ自体で個として独立して存在するものはひとつとしてない」という表現があります。

このような関係をティク・ナット・ハン氏は「インタービーイング(相互共存)」と呼んでいます。

つまり「私は私自身と私以外のすべてからできており、あなたはあなた自身とあなた以外のすべてからできている(無我)」ということです。森羅万象がこの道理で存在しています。

これを地球環境問題に当てはめてみると、「地球温暖化やオゾン層破壊などがそれぞれ単独にポツンと存在するわけではない」ということです。

すべてが全部つながっていて、どこから入ってもすべての環境問題につながります。

しかも最終的には、生態系の崩壊を経て、必ず人類に悪影響をもたらします。

たとえば、「温暖化→酸性雨→森林破壊→土の流失→砂漠化→生物種の絶滅→食糧危機→飢餓」、「オゾン層破壊→生物種の絶滅→食糧危機→飢餓」のようなルートをたどり、やがて人類消滅の危機を招きます。
反対に言えば、「どこかが良くなるとやがてすべてが良くなる」と言うことです。こちらの方が、前向きで明るくていいですね。

地球上の生物(生態系)に目を向けると、それらは見事な多様性を維持しながら、複雑なネットワークを作ってきました。この芸術的な生物のつながりを人類は無造作に切断しています。
私たちは、目先の利益や「自分さえ良ければそれでいい」という発想から、全体のつながりを尊重したワンネス(すべてはひとつ、ひとつはすべて)発想に転換する必要があります。
今までの発想のもとでは、個別の環境問題を解決するすばらしい技術を編み出したとしても、全体の関連性を無視しているために、やがて新たな問題を引き起こすことがよくあります。
特定フロンがオゾン層を破壊する物質として生産禁止になりました。
そこで、オゾン層を破壊しない代替フロンというものを開発したものの、それが地球温暖化を加速しているということは周知の事実です。

このように全体の関連性を考慮しなければ、モグラ叩きのようにひとつの現象を抑えても、次から次に新しい問題が発生することになってしまいます。

自分たちは一生懸命やっているつもりでも、予想もしないところ(全体性を考えれば予測可能ですが)で問題が出始めるのです。

少なくとも、多くの犠牲が出た後で「そのようなことは(当時の科学では)予測できる範囲を超えていた」という言い訳だけはしたくないし、聞きたくありません。「インタービーイング(相互共存)」という言葉を忘れないようにしたいものですね。

ポジティブなビジョンを持ってもらえるように伝えよう!

皆さんは、ここまで述べたことがSDGsと密接に関わっていることをそれぞれの立場でイメージできたと思います。

環境問題と同じように、SDGsの各ゴールもすべてが密接につながっています。
もちろん各企業・各個人がすべての目標を達成するというのは物理的に無理のように感じられます。よほどの超大企業はともかく、一般の企業や個人は、今はひとつ、あるいはいくつかのゴール達成に集中することが必要だと思います。

ただ、今している生産活動や消費活動、そして排出(排泄)行為を見直し改善することが、「ひとつのSDGsのゴールを達成し、結果としてすべてのSDGsの達成につながるんだ」という希望を持って活動を続けていただきたいと思います。

SDGsの背景には、これまで述べてきたような先進国の行為への反省を込めて、責任感から提案している人たちも存在します(すべてとは言えませんが)。

ただ日本人は、そのような行為について知らない人が多いので責任感を持てといっても無理があります。

SDGsを身のある活動とするために、私たちが途上国や国内で行ってきたことを伝えていくことが必要なのではないでしょうか。

ただし怒りの感情を持たせるように伝えるのではなく、「これまではこういう行為をしてきて様々な問題が生じているが、いま活動をすることで”こんなに素晴らしいことが実現する”」というポジティブなビジョンを持ってもらえるように伝えることが必要だと思います。

「つながり」の本質は?

各ゴールがすべてつながっていることを理解すること。
すべての人がつながって各問題を解決していくこと。
これがSDGsの極めて重要なポイントだと私は理解しています。

SDGsそれぞれの問題の中には、「大変な状況にあると聞いたことがあるけど”自分ごと”として実感できない」という人も多いと多いと思います。
そんな人には、SDGsや環境問題のリスクだけでなく、「それらの問題を解決するとこんなに良いことが起こる」というプラスの面も伝えることが大切です。

すると「自分が、あるいは自分たちがしていることが世の中に役立つんだ!」、という自信(自覚)が生まれると思います。

この自信がそれぞれの成長を促し、結果として(例えば)企業の持続的な成長につながるでしょう。

「ひとつが悪くなると、やがてすべてが悪くなる」が、「ひとつが良く(善く)なると、やがてすべてが善くなる」。

これが「つながり」の本質だと私は思います。皆さんはどう思われますか?

次回はその一環として、「気候変動への対策がSDGsの達成にどのように結びつくか」について、以前挙げた「地球温暖化(気候変動)が解決すると何が起こるか?」をベースに考えてみたいと思います。

コラム著者

サステナ・ハース代表、おおさかATCグリーンエコプラザ環境アドバイザー

立山 裕二